奥丸山
2014/10/18~2014/10/19
奥丸山
 
2014/10/18(土):晴れ時々曇り:新穂高温泉~槍平(テン泊)
2014/10/19(日):晴れ:槍平~奥丸山~槍平~新穂高温泉
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悪天後に寒波が到来し、2,000m以上に雪が積もった後の好天とお休みが重なりました。
何年も前から登ってみたかった奥丸山へ。槍穂高を始め北アルプス南部の山々をすぐ目前で眺めることのできる展望台です。 そして登るなら、ぜひこの時期にと思っていました。勝手ながら槍穂高に積もった雪がまだ残り、奥丸山の雪はほぼ解けていることを祈りながら出掛けます。
そして紅葉のお山は色付き始めや最盛期も好きですが、樹々が葉を落とす晩秋の風景にとても魅力を感じます。中でも完全に葉を落としてしまった頃よりも一部葉を残している姿に風情やわびさびを感じ、心が惹かれてしまいます。 そんな晩秋の樹々にも出会える時期なのでこちらも楽しみです。

● 2014/10/18 ●

新穂高から入るルート上では前週の三連休で大部分の山小屋が終了したこともあり、まず最初に気にかかっていた深山荘の登山者用無料駐車場は驚くほど空いていて、 既に朝の6時なのに最上段に車を止めることができて助かりました。
そして今年の3月にリニューアルオープンした新穂高登山センターはとても綺麗に生まれ変わっていました。 これまで別々の建物だったトイレも併設されて便利になりました。細かい話かもしれませんが建物前のベンチは大きなザックを置きやすかったこともよく考えられてつくられているように感じます。
それから登山届の提出時に前々から気になっていた下山届について伺うと、この登山口ではなるべく下山届も提出して欲しいとのこと。 これまで提出したことはありませんでしたが、以後必ず提出することにします。

久しぶりに槍平に向かいますが、やはり白出沢までの林道2時間は辛いものがあります。 しかも一週間前にロードバイクで別当出合まで登った疲れがまだ足に残っているので少し不安。 でも澄み切ったお山の空気に元気付けられ、そしてちょうど色付きかけた樹の間から朝の光が射し込みとても綺麗でした。
槍平ルートはいくつかの沢を渡りますが、この時期でもしっかりした橋が架けられていて助かります。 それでも滝谷は大きな沢、今は水流が少ない時期ですが足元を流れる激しい流れを見ていると少し怖く感じます。
ところで滝谷出合ではいつも時間がなく通りすぎる場所。でもいつかゆっくりと過ごしてみたいと思っていました。ザックを置きカメラだけ持って滝谷へ向かって沢づたいに行けるところまで行ってみます。 しばらく登っただけで風景が一変し、沢を挟んで両岸が切り立った岩壁に囲まれてしまいました。その岩壁の行き着く先が滝谷。 自分にはとても恐ろしい雰囲気が漂っているように感じますが、この先は歴史に残るクラシックルートがありこの険しい眺めに心踊る人もいるのでしょう。

滝谷から先で日帰りで槍に行って来られた方に何人か出会いました。穂先の雪の付き具合を伺うと、一部雪が残っている箇所もあるけれどアイゼンなしで問題ないとのこと。 出会う人は皆さん槍ヶ岳だと口を揃えて言われていることもあり、久しぶりに槍に登りたい気持ちになり激しく心が葛藤します。 槍平に着き同じくお泊まりの方々も当然のように明日は槍に向かわれるそうで迷いましたが、登山届を奥丸山で提出してきたことと、時間と体力を考えてやはりあきらめることにします。
テントを張り終えると日没までまだしばらく時間があったので、奥丸山へ行けるところまで行ってみます。 始めから激しい急登の連続でしたが、ちょうど半分ほど登った辺りで痩せ尾根になり慎重に行かなければなりません。 ただ登れば登るほど穂高の険しい山々が姿をあらわし素晴らしい眺めになってきます。しかも北側の岩壁には雪がしっかり残っているのが分かります。 何とか山頂まで行けないかなと思いましたが、薄暗くなってからこの痩せ尾根を下るのはかなり危険と感じ、続きは明日。
下山中に太陽の光が雪が付いた岩壁を照らし、美しいアーベントロートに。気付いた時には少し遅かったのですが、何とか樹間から望遠で撮ることができました。夜も久しぶりにのんびりと星空撮影。 ただ穂高を前景にして撮ると残念ながら真南になってしまいました。

● 2014/10/19 ●

空がほんのりと薄明るくなってきた頃、今度はダケカンバを前景にして真北の星空を撮ってみました。
太陽は標高差500mもある南岳から昇るのでご来光は気にせずに、朝ご飯もゆっくり食べて出発。 朝はそれなりに冷え込んだようで、テントの外側はもちろん内側の結露もしっかりと凍っていました。 寒がりなので、冬用のシュラフに上下アンダーウェアと上下ダウン、そして両手両足カイロを付けたら寒さを感じずに眠れるほどでした。
前日Uターンした痩せ尾根が始まったポイントを過ぎると太陽が昇りました。眩しい光がダケカンバに降り注ぎ、まだ光が当たらない槍穂高連峰を背景に葉を落とした樹々が輝きます。 気にかかっていた痩せ尾根はしばらくで終わり、成長した霜柱を横目に見ながら稜線へ。 稜線に出ると笠ヶ岳や双六岳方面も間近に迫ります。奥丸山山頂に着くと、笠ヶ岳から抜戸岳、弓折岳、双六岳、樅沢岳、槍ヶ岳、大喰岳、中岳、南岳、北穂高岳、涸沢岳、奥穂高岳、ジャンダルム、そして西穂高岳まで、 残念ながら穂高連峰の日の当たらない北側斜面の一部以外は随分と雪が解けてしまいましたが、これらの繋がるルートが一周すべてすぐ間近で見渡せ素晴らしい眺めなのでパノラマ撮影をしてみました(写真は一番最後に掲載)。

テントに戻ると9時半。少し休憩して2時間ほど時間があるので槍平小屋手前の沢で水撮影。 このところ水の動きや光の軌跡に惹かれていましたが、現実的にはなかなか標高の高いお山の沢では表現の工夫に限界があり最近はちょっと行き詰まり感です..
1時間半ほども水と過ごしましたが思うような写真がなかなか撮れず消化不良気味。 そろそろ撤収してこちらも気になっていた南岳新道を少し登り南沢へ行ってみます。時間は12時近く。完全にトップライトなのであきらめていましたが、思い描いていた樹々に理想の光が射し込んでいました。 帰りはヘッドランプ覚悟で出発時間を30分遅らすことにして、夢中で撮影。時間がもう少しあればと思いましたが限られた時間の中で何とか撮ることができました。

後片付けが楽なようにテントを乾かし、撤収し終えたのはちょうど2時。 気が付けば、中崎山荘の奥飛騨の湯の営業時間が8時までなのでまたギリギリの時間です。 誘惑に負けないようなるべく景色を眺めないように写真をほとんど撮らず休憩も最小限にして黙々と歩きます。 穂高平小屋から先の林道でヘッドランプが必要になり、そして一部コンクリート道になったことで足と肩や背中にかかる負担が大きくなり、最後にかなり疲労しましたが何とか6時半に深山荘駐車場に到着しました。
今回はこれ以上ない天候に恵まれた中、晩秋の美しい風景を眺めることができました。この次はもう少し雪が多く冠った山々を眺めてみたいと思います。

● 写真(30) ●
  • 白出沢までの林道では、ちょうど色付きかけた樹の間から朝の光が射し込みとても綺麗でした。
  • 白出沢までの林道では、ちょうど色付きかけた樹の間から朝の光が射し込みとても綺麗でした。
  • チビ谷にて。太陽の光を感じられるようになると、陽射しが暑くなってきました。
  • チビ谷にて。太陽の光を感じられるようになると、陽射しが暑くなってきました。
  • カメラだけ持ち滝谷方面へ。しばらく登っただけで、沢を挟んで両岸が切り立った岩壁に囲まれてしまいました。
  • カメラだけ持ち滝谷方面へ。しばらく登っただけで、沢を挟んで両岸が切り立った岩壁に囲まれてしまいました。
  • そして目いっぱいの広角でもう一枚。目立っている丸みを帯びた頂きは北穂高岳の滝谷ドーム。
  • そして目いっぱいの広角でもう一枚。目立っている丸みを帯びた頂きは北穂高岳の滝谷ドーム。
  • もうしばらくで槍平。北穂高岳と並び涸沢岳も望めるようになりました。雪が付いていて綺麗です。
  • もうしばらくで槍平。北穂高岳と並び涸沢岳も望めるようになりました。雪が付いていて綺麗です。
  • 険しい稜線を望遠で切り取ってみます。
  • 険しい稜線を望遠で切り取ってみます。
  • 槍平でテントを張った後、奥丸山方面へ。
  • 槍平でテントを張った後、奥丸山方面へ。
  • この辺りのダケカンバたちは、ほぼすっかり葉を落としてしまっていました。
  • この辺りのダケカンバたちは、ほぼすっかり葉を落としてしまっていました。
  • 激しい急登なので、しばらく登っただけで背後に連峰が聳え立ってきます。
  • 激しい急登なので、しばらく登っただけで背後に連峰が聳え立ってきます。
  • 下山時には美しいアーベントロートになりました。ちょうど光が当たり赤く染まっているところは雪が消えています。
  • 下山時には美しいアーベントロートになりました。ちょうど光が当たり赤く染まっているところは雪が消えています。
  • 星の軌跡を撮ってみると、穂高方面は真南の空でした。北穂高小屋の明かりが付いているのが分かります。
  • 星の軌跡を撮ってみると、穂高方面は真南の空でした。北穂高小屋の明かりが付いているのが分かります。
  • 明け方、今度は北側の空をまずは星を点で一枚。
  • 明け方、今度は北側の空をまずは星を点で一枚。
  • 次は同じ場所で軌跡をもう一枚。明るくなってきたので20分で止めてしまいましたがもう少し粘れば良かった。
  • 次は同じ場所で軌跡をもう一枚。明るくなってきたので20分で止めてしまいましたがもう少し粘れば良かった。
  • 奥丸山に登っている途中で太陽があらわれます。槍ヶ岳も望めるようになってきました。
  • 奥丸山に登っている途中で太陽があらわれます。槍ヶ岳も望めるようになってきました。
  • 葉を落としたダケカンバが朝の光を受けて輝きます。
  • 葉を落としたダケカンバが朝の光を受けて輝きます。
  • 痩せ尾根の急登も終わり、そろそろ稜線に出ます。
  • 痩せ尾根の急登も終わり、そろそろ稜線に出ます。
  • 稜線に出ると崩壊地があり常にカラカラ..と不気味な音を立てています。そして槍平の飛騨沢がはるか下のほうに見えます。
  • 稜線に出ると崩壊地があり常にカラカラ..と不気味な音を立てています。そして槍平の飛騨沢がはるか下のほうに見えます。
  • 奥丸山山頂に着くと槍穂高と対面するように聳え立つ笠ヶ岳と抜戸岳。
  • 奥丸山山頂に着くと槍穂高と対面するように聳え立つ笠ヶ岳と抜戸岳。
  • 槍ヶ岳、大喰岳、中岳。小槍も見えるようになりました。
  • 槍ヶ岳、大喰岳、中岳。小槍も見えるようになりました。
  • 焼岳の奥に乗鞍岳、その奥に御嶽山の噴煙が見えました。
  • 焼岳の奥に乗鞍岳、その奥に御嶽山の噴煙が見えました。
  • 北穂高岳、涸沢岳、奥穂高岳、ジャンダルム、西穂高岳。
  • 北穂高岳、涸沢岳、奥穂高岳、ジャンダルム、西穂高岳。
  • 槍平まで下りて来ると、まだ葉を残したダケカンバがあることに気付きました。
  • 槍平まで下りて来ると、まだ葉を残したダケカンバがあることに気付きました。
  • 時間にゆとりがあるので沢で水の撮影をしてみました。コケが付いた岩とともに。
  • 時間にゆとりがあるので沢で水の撮影をしてみました。コケが付いた岩とともに。
  • 水面がキラキラと輝いていますが50mm単焦点だけではなかなか構図がまとまりません。
  • 水面がキラキラと輝いていますが50mm単焦点だけではなかなか構図がまとまりません。
  • 最近は表現に限界があるように感じちょっと行き詰まり感..
  • 最近は表現に限界があるように感じちょっと行き詰まり感..
  • 少し登り南沢へ行ってみると、完全にトップライトなのであきらめていましたが思い描いていた樹々に理想の光が射し込んでいました。
  • 少し登り南沢へ行ってみると、完全にトップライトなのであきらめていましたが思い描いていた樹々に理想の光が射し込んでいました。
  • 一部だけ葉を残した樹々の姿。この季節この時間にこの場で出会えた風景。
  • 一部だけ葉を残した樹々の姿。この季節この時間にこの場で出会えた風景。
  • 近付くことができなかったので、三脚を立てていても望遠で撮るとブレが気になります。
  • 近付くことができなかったので、三脚を立てていても望遠で撮るとブレが気になります。
  • 時間が限られている中、ようやく理想のかたちの樹々を見つけることができました。
  • 時間が限られている中、ようやく理想のかたちの樹々を見つけることができました。
  • 最後まで雲ひとつない空が続きます。いつものように時間がなくなり急いで下山することになりました。
  • 最後まで雲ひとつない空が続きます。いつものように時間がなくなり急いで下山することになりました。