白山(楽々新道)
2014/09/27~2014/09/28
白山(楽々新道)
 
2014/09/27(土):曇り時々晴れ:新岩間温泉~楽々新道~小桜平避難小屋(小屋泊)
2014/09/28(日):晴れ:小桜平避難小屋~四塚山~大汝峰~楽々新道~新岩間温泉
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今年の秋は冷え込みが早く、紅葉の見頃は9月末とのことで慌てて白山へ出掛けることにしました。
2年前に加賀禅定道を歩いた時に懐深い白山の魅力を感じることができましたが、 その頃からお隣りの楽々新道も歩いてみたい、新しく快適になったという小桜平避難小屋にも泊まってみたいと思っていました。 残念ながら見返坂上部から四塚山や大汝辺りの紅葉は、おそらく9月半ばの寒波ですっかり葉が枯れてしまっていましたが、白山北部の景観の美しさと険しさ、小桜平の紅葉や湿原の美しさ、登るごとにあらわれる北アルプスの眺め、 そして今更ですが初めて見た大汝からの眺めの素晴らしさに感動しました。

ところで御嶽山ですが、噴火の事実を全く知らないまま、噴火が起こった翌日の早朝に見返坂から眺めていました。ガスの中からすっきりと姿をあらわした北アルプスとは異なり御嶽にだけ大きな雲がかかっているのを見て、 その時はなぜかまるで鬼か悪魔のような形相の恐ろしい雲に見えました。恐ろしい雲が頂きを抱え込んでいるような感じに見えたのです。 その後、大汝付近まで登りようやく噴火を知ったときにそのことを思い出し愕然とし、そして背筋が凍り付きました。 その当時、御嶽山に登られていて運良くご無事だった方々の手記を読んでいると、胸が締め付けられる思いです。 どうか二次災害が起こらぬよう少しでも早く救助活動が進むことを祈っています。亡くなられた方々のご冥福を心からお祈りいたします。

● 2014/09/27 ●

事前に電話で連絡してお話を伺っていましたが登山口には登山届ボックスがないので山崎旅館の方に預かっていただき、出発です。 林道をしばらく歩き、丸石谷林道登山口から楽々新道へ。最初から突然の急登が始まりますが、お隣の加賀禅定道よりも歩きやすい道に感じました。 標高1,600mを越えたあたりで小桜平の台地が目に入りました。そして登山道脇には真っ赤に色付いたナナカマドたち。空には雲が広がり太陽が隠れてしまいましたがそれでも美しく鮮やかに感じます。 小桜平辺りも綺麗そうに見えたので気持ちが焦りますが、最後の登りは苔むした岩が多く続くルートになりました。岩質や苔の種類もあるのでしょうか?苔岩の上に足を置くと滑りやすくとても危険。 これほどまでに滑りやすい岩のルートを過去に歩いた記憶がありません。このルートはあまり人が歩かないというのも原因なのかもしれません。下山はより注意が必要そうです。

小桜平に着くと秋色の湿原が広がっていました。クロマメノキの真っ赤に色付いた葉がもうすっかり枯れ色の湿原を彩りまるでお花が咲いたような美しさ。1時間半ほど湿原でのんびりした後、避難小屋へ。 小屋内にはまだ木の香りが残り、テーブルやシートまで置かれ、洗濯物干し用のロープや洗濯ばさみ、傘までありました。そして驚くことにトイレにはトイレットペーパーまで。 ここまで運び上げるのは大変なことと思います。管理してくださっている方々のお心遣いに感謝します。
夕方、小屋から少し登ってみると樹々の色付きが綺麗でした。またマクロ撮影を楽しんでいると雲が晴れて青空があらわれましたがまたすぐに雲が広がってしまいます。 小屋の辺りからも北アルプスが見えるとのことですが、残念ながら北アルプスはもちろんのこと周辺の山々もあらわれません。明日に期待します。

● 2014/09/28 ●

夜は寒かったので上下アンダーウエアーと上下ダウンを着た上にカイロを出して寝ましたが、夜中に暑すぎて目が覚めてしまいました。 朝5時前のまだ薄暗い時間に出発。外に出てもそれほど寒くなくあまり冷え込まなかったようです。 見返坂を登っていると空が明るくなってきました。相変わらず周囲はガスが広がっていましたが登るごとに空の明るさを感じるようになり、見晴らしの良い場所に出るとすっかり太陽が昇ってしまっていました。 ただすっかり空は晴れ、ここでようやく雲海上に北アルプスの山々を望むことができました。剱、立山から槍、穂高、乗鞍、御嶽まで。ただ御嶽にだけまだ雲がかかっていました。
地獄尾根に朝の光が射し込み始め、荒々しい尾根と岩壁を彩る紅葉がとても綺麗です。そして広がる雲海も。 太陽は既に昇ってしまいましたが、タイミング良くこの光景を眺めることができました。重いので迷いに迷った中で三脚を小屋に置いてきましたが、同じく迷った望遠レンズは持ってきて良かった。
もう一段登るとさらに視界が開けました。北アルプスの全貌が綺麗・・と思ったら、御嶽にだけまだ雲が。その雲のかたちが何だか怖い。まるで鬼や悪魔が手を広げて頂きを抱え込んでいるような感じに見えました。

写真を撮っていたこともあり清浄ヶ原までは想像以上に時間がかかってしまい先を急ぎます。稜線に出ると突然風が強くなり、七倉の辻からまずは四塚山方面へ急ぎます。 ただこの時はもう8時をまわっていたので、下山を考えると時間にゆとりはなくほぼ大汝はあきらめながらも先へ進みます。 紅葉はこの辺りまで登って来るとすっかり枯れてしまいまるで晩秋のような雰囲気。七倉の辻や四塚山のあたりはお花が綺麗とのことなので、この次はお花の時期に来てみたいと思います。
6月に歩いた釈迦新道が眺められるところで何気なく携帯の電波を確認してみると、ここで御嶽が噴火したことを知りとても驚き、 あの鬼のような形相の雲を思い出しました・・。でもこの時はまだどの程度の規模の噴火だったのか、犠牲者は出たのかもよく分かりませんでした。 その後も行き交う人が増えて来たので、すれ違った方々と御嶽の話をすると、山頂からはまさに噴煙が上がる姿がはっきりと見えたそうです。
七倉の辻に戻り室堂方面へ。岩のくぼみに水がたまった御手水鉢は、それほど大きな水たまりではないのにこの時期でも枯れないことが不思議です。 時間が気になりながらもあまりのお天気の良さ、せっかくここまで来たからと思い、帰りはヘッドランプ覚悟で大汝を目指して急ぎます。

大汝に着いたのは10時過ぎでした。御前峰や剣ヶ峰、そして点在する池の眺めが最高に綺麗です。 そして剣ヶ峰の左のはるか彼方に御嶽が見えます(白山からは70kmの距離)。この時間帯になるともうトップライトになるので遠くの山々は白く淡い色になってしまいましたが、噴煙が立ち上っているのが分かります。 ただ先ほど早朝に見たときと比べると煙が小さくなったように感じたので、噴火の規模はそれほど大きくなければ良いのにと思いました。
翠ヶ池がその名の通り美しい翠色に輝いています。お花の松原方面を俯瞰すると、樹々が色付いているのが分かりました。でもやはり茶の樹々も混じっているように見えます。 下りて行きたい気持ちになりますが、時間がないのでまたこの次にします。大汝で過ごしたのは15分。午後1時目標に小屋まで下ります。小屋の辺りは小屋まで登って来られた方たちで賑わっていました。 荷物を回収してまた苔岩の道に注意しながらできるだけ急いで下山、何とかヘッドランプが要らない時間に下りて来ることができました。

山崎旅館に無事に下山した報告をして携帯に電源を入れた瞬間に「御嶽山にて心肺停止30人」という産経新聞の号外が目に飛び込んできました。
白山もいつ噴火が起こってもおかしくない活火山と言われています。この美しい景観も活火山ならではのものです。 このような事故が起こると自重すべきかなと思う気持ちもありますが、噴火が起こると景観がまったく変わるので今の間に見ておきたいと思う気持ちもあり葛藤します。 活火山に登る時は、事前に噴火の予兆がないかできる限りの情報収集、そして対策を心掛けたいと思います。

● 写真(44) ●
  • 標高1,600mを越えたあたりで。登山道脇に真っ赤に色付いたナナカマドたち。
  • 標高1,600mを越えたあたりで。登山道脇に真っ赤に色付いたナナカマドたち。
  • クロマメノキの綺麗に色付いた葉がもうすっかり枯れ色の湿原を彩っていました。
  • クロマメノキの綺麗に色付いた葉がもうすっかり枯れ色の湿原を彩っていました。
  • 枯れ色の植物の中で独りで佇む黄色く色付いたイワイチョウの葉に目が留まります。
  • 枯れ色の植物の中で独りで佇む黄色く色付いたイワイチョウの葉に目が留まります。
  • 池塘の中にも見つけました。時折雲の中から太陽があらわれ池の面に光が落ちます。
  • 池塘の中にも見つけました。時折雲の中から太陽があらわれ池の面に光が落ちます。
  • 良く見てみると、小さくて可愛い実が下がっていました。
  • 良く見てみると、小さくて可愛い実が下がっていました。
  • 湿原を彩るクロマメノキたちはまるでお花が咲いたような美しさ。
  • 湿原を彩るクロマメノキたちはまるでお花が咲いたような美しさ。
  • 太陽があらわれたり雲に隠れたり。空の表情が池塘に映ります。
  • 太陽があらわれたり雲に隠れたり。空の表情が池塘に映ります。
  • 早めに小桜平に着いたので、のんびりと過ごすことができました。
  • 早めに小桜平に着いたので、のんびりと過ごすことができました。
  • 夕方、小屋周辺を散策してみます。綺麗に色付いたナナカマドを見つけました。
  • 夕方、小屋周辺を散策してみます。綺麗に色付いたナナカマドを見つけました。
  • この辺りは紅葉が綺麗。でも相変わらず残念ながら曇りがちのお天気です。
  • この辺りは紅葉が綺麗。でも相変わらず残念ながら曇りがちのお天気です。
  • ナナカマドには赤系の色に染まる樹と橙系の色に染まる樹があって不思議。
  • ナナカマドには赤系の色に染まる樹と橙系の色に染まる樹があって不思議。
  • 緑から赤へ変化していくシナノオトギリの紅葉。
  • 緑から赤へ変化していくシナノオトギリの紅葉。
  • 葉によって一枚一枚色付き方、色付く速さが異なるからこその美しさ。
  • 葉によって一枚一枚色付き方、色付く速さが異なるからこその美しさ。
  • ナナカマドの葉がほぼ実と同じように真っ赤に染まりました。
  • ナナカマドの葉がほぼ実と同じように真っ赤に染まりました。
  • 小桜平に流れ込んでいたガスがまた流れ、お隣の薬師山の頂きがあらわれました。
  • 小桜平に流れ込んでいたガスがまた流れ、お隣の薬師山の頂きがあらわれました。
  • 朝起きると相変わらず周囲はガスが広がっていましたが登るごとに空の明るさを感じるようになりました。
  • 朝起きると相変わらず周囲はガスが広がっていましたが登るごとに空の明るさを感じるようになりました。
  • 焦りながら急いで登ると太陽が昇ってしまい、お隣の尾根に光が射し込みました。太陽が見えるところまでさらに登ります。
  • 焦りながら急いで登ると太陽が昇ってしまい、お隣の尾根に光が射し込みました。太陽が見えるところまでさらに登ります。
  • 一気に視界が開け太陽とともに北アルプスが目に飛び込んできました。剱から始まり槍、穂高、乗鞍まで。
  • 一気に視界が開け太陽とともに北アルプスが目に飛び込んできました。剱から始まり槍、穂高、乗鞍まで。
  • そして不思議と御嶽山にだけ雲がかかっていました(実際は噴煙。トリミングあり)。まるで鬼や悪魔が手を広げて頂きを抱え込んでいるような感じに見えました。
  • そして不思議と御嶽山にだけ雲がかかっていました(実際は噴煙。トリミングあり)。まるで鬼や悪魔が手を広げて頂きを抱え込んでいるような感じに見えました。
  • 光が射し込むと、紅葉の美しさと尾根の荒々しさが浮かび上がってきました。
  • 光が射し込むと、紅葉の美しさと尾根の荒々しさが浮かび上がってきました。
  • 雲海の光と影。姿をあらわす頂き。
  • 雲海の光と影。姿をあらわす頂き。
  • 槍から穂高を望遠で。三脚がないのでブレてしまいました。
  • 槍から穂高を望遠で。三脚がないのでブレてしまいました。
  • 刻一刻と光が変化します。朝の光がとても綺麗。
  • 刻一刻と光が変化します。朝の光がとても綺麗。
  • もう一段登って北アルプスの全貌です。そして、御嶽山。
  • もう一段登って北アルプスの全貌です。そして、御嶽山。
  • 清浄ヶ原から望む七倉山や四塚山方面です。
  • 清浄ヶ原から望む七倉山や四塚山方面です。
  • 大汝へ向かって先を急ぎます。陽が昇るとぐんぐん気温が上がってきました。今日は暖かくなりそうです。
  • 大汝へ向かって先を急ぎます。陽が昇るとぐんぐん気温が上がってきました。今日は暖かくなりそうです。
  • 歩いてきた道を振り返ります。清浄ヶ原の広大なハイマツの緑濃い大地の中に点在する色付いた樹々が綺麗。
  • 歩いてきた道を振り返ります。清浄ヶ原の広大なハイマツの緑濃い大地の中に点在する色付いた樹々が綺麗。
  • 稜線に出ると冷たい風が吹いていました。まずは四塚山方面へ。
  • 稜線に出ると冷たい風が吹いていました。まずは四塚山方面へ。
  • 標高が高くなると残念ながらすっかり葉が枯れていました。9月上旬の寒波の影響でしょうか?
  • 標高が高くなると残念ながらすっかり葉が枯れていました。9月上旬の寒波の影響でしょうか?
  • 岩のくぼみに水がたまった御手水鉢は、それほど大きな水たまりではないのにこの時期でも枯れないことが不思議。
  • 岩のくぼみに水がたまった御手水鉢は、それほど大きな水たまりではないのにこの時期でも枯れないことが不思議。
  • 御手水鉢の近くにはまだ鮮やかなウラシマツツジが残っていたので、四塚山方面とともに。
  • 御手水鉢の近くにはまだ鮮やかなウラシマツツジが残っていたので、四塚山方面とともに。
  • 地獄谷は紅葉が真っ盛りでとても綺麗でした。人が立ち入らないからこその美しさもあるのだと感じます。
  • 地獄谷は紅葉が真っ盛りでとても綺麗でした。人が立ち入らないからこその美しさもあるのだと感じます。
  • 時間がなく迷いましたが、何とか大汝まで登ることができました。この時、御嶽の噴煙が弱くなっています。
  • 時間がなく迷いましたが、何とか大汝まで登ることができました。この時、御嶽の噴煙が弱くなっています。
  • お花の松原の紅葉の状況は?その奥の雲がかかった険しい頂きは三方崩山です。
  • お花の松原の紅葉の状況は?その奥の雲がかかった険しい頂きは三方崩山です。
  • 望遠レンズで撮ってみます。綺麗そうですがやはり茶の枯れた樹も多そうです。
  • 望遠レンズで撮ってみます。綺麗そうですがやはり茶の枯れた樹も多そうです。
  • さらに望遠で。お花の時期も紅葉の時期も行ってみたい場所ですが、お預けです。
  • さらに望遠で。お花の時期も紅葉の時期も行ってみたい場所ですが、お預けです。
  • 翠ヶ池が輝いていました。こちらへも駆け下りたい衝動に駆られますがお預けです。1,042年に水蒸気爆発でできた火山湖とのこと。
  • 翠ヶ池が輝いていました。こちらへも駆け下りたい衝動に駆られますがお預けです。1,042年に水蒸気爆発でできた火山湖とのこと。
  • 白山三峰の一峰、標高2,684mの大汝峰に滞在できたのは15分ほど。
  • 白山三峰の一峰、標高2,684mの大汝峰に滞在できたのは15分ほど。
  • 今回歩いたルート近辺のハイマツはとても緑濃く綺麗でした。白馬岳の時は枯れた樹が多く心配になりました。
  • 今回歩いたルート近辺のハイマツはとても緑濃く綺麗でした。白馬岳の時は枯れた樹が多く心配になりました。
  • 七倉ノ辻に戻ってきたのは11時。大汝と別山を振り返りながら急いで下山します。
  • 七倉ノ辻に戻ってきたのは11時。大汝と別山を振り返りながら急いで下山します。
  • 地獄尾根の険しい岩壁と彩る紅葉の対比がとても美しく感じました。
  • 地獄尾根の険しい岩壁と彩る紅葉の対比がとても美しく感じました。
  • また別の角度から。足もとが崩壊しているので気を付けます。
  • また別の角度から。足もとが崩壊しているので気を付けます。
  • 見返坂付近の紅葉です。この辺りも綺麗な樹と枯れた樹が入り混じっています。
  • 見返坂付近の紅葉です。この辺りも綺麗な樹と枯れた樹が入り混じっています。
  • 午後2時にお世話になった小屋に別れを告げます。何とかちょうど日の入りの時間に下山することができました。
  • 午後2時にお世話になった小屋に別れを告げます。何とかちょうど日の入りの時間に下山することができました。