立山
2012/06/01~2012/06/02
立山
 
2012/06/01(金):曇り時々晴れ:室堂平~雷鳥沢(テン泊)
2012/06/02(土):晴れのち曇り:雷鳥沢~室堂平~雄山~浄土山~雷鳥沢~室堂平
*

春の立山は雷鳥と最も良く出会える季節&場所。5~6月に掛けては雷鳥の恋の季節。そして雄は縄張り争いに必死。 この時期は羽毛が美しいツートンカラーになることにも惹かれます。そんな雷鳥たちと過ごすひとときは、かけがえのないものとなりました。

● 2012/06/01 ●

前日の夜に決め遅くまで準備をしたので、当日の朝はのんびりと睡眠を取りお昼の12時頃に室堂に着。 お天気はあまり良くないことが分かっていたのですが、室堂に着くと少しだけ青空が顔を出し、少しお散歩することに。 大きなザックが入る大型のコインロッカーが確かあったはずと探してみたのですが見当たらず聞いてみると、事務所でザックごと預かっていただけることに。助かりました。料金は300円です。 でもお散歩用の荷物をまとめて外に出たら、ふたたびすっかりガスに覆われたのであきらめて雷鳥沢に向かうことにしました。

雷鳥沢まではまだ大部分が雪ですが、綺麗にトレースが付いているので迷うことはありません。 雷鳥荘あたりでまた空が明るくなり浄土山が姿をあらわしました。 ただこの辺りのハイマツの色が真っ赤。地獄谷からのガスの影響なのでしょう。今年から地獄谷周辺の遊歩道は、ガスが濃くなり立ち入り禁止になりました。この辺りの植物たち、そしてライチョウは大丈夫なのでしょうか?
雷鳥沢ではテント組が既に2組いました。平日のこの時期なので、もしかしたら自分ひとりでは?と思っていたので一安心。管理棟にはどなたもいませんでしたが、トイレと水場は使わせていただくことができました。 テントを張っていると青空が顔を出しているのにまだ上空には暗い雲が残り、雨に降られてしまいました。夕陽を見ることはできるでしょうか? テン場から夕陽を見ることのできるポイントまで歩くとなると、自分の足では1時間ほど。雷鳥沢ヒュッテ横から上がり、振り返ってテン場を俯瞰。結局自分を入れて、8組ものテン泊組がいました。

地獄谷を見下ろすことのできる展望台に着いたのは、18時半。もう既に太陽の色が綺麗。慌てて三脚を立てました。地獄谷から湧き上がったガスに光が当たり存在が際立っていました。 太陽が沈んでいくごとに大日連山にかかっていた雲が流れ、姿があらわれてきました。湧き上がるガスの流れがふと落ち着いたひととき、辺りがやさしい光に包まれました。 今日一日最後の光によって染まっていきます。言葉で表現することのできない美しい色の変化。再びほど良くガスが流れ、太陽に染められます。 陽が落ちて行くごとに、ガスの流れが変化するごとに刻々と変わりました。振り返ると立山もすっかりガスが流れ姿をあらわしています。

ところで室堂平ではご来光を見ることはできません。 雷鳥沢から一番近い別山乗越へはこの時期雪崩の危険性もあり、自分の技術ではとても行くことはできません。 となると次の候補は雄山です。雷鳥沢から3時間見ておかなければいけませんが、一ノ越までは暗い夜道でも迷うことなく、そして一ノ越から先は日の出30分前にもなれば明るくなってくるので何とかなるかもしれません。 雄山までなら一部残雪は残っているようですが、室堂で話を伺うともうピッケルがなくてもストックと12本爪アイゼンがあれば登ることができるとのことでした。 今回は稜線まで上がるつもりはなかったのでピッケルを持って来ていないのですが、雄山でのご来光は頑張れば何とかなるかも? ただこの時期日の出は4時20分。逆算すれば夜中の1時に歩き始めなくちゃ。そんな真夜中に歩いたことはないので、迷いながらテン場へ戻ります。

● 2012/06/02 ●

結局もろもろの準備を整えてシュラフに潜り込めたのは10時頃。12時半に目覚ましを掛けましたがなかなか寝付けず、1時から歩くのはすっかりあきらめたところしばらく熟睡できました。 それでも2時半に目が覚めてしまい、満点の星空を眺めながら朝食をしっかりと食べて4時に出発です。
テン泊組の他の方たちもちらほらと起き出して準備をしています。縦走される予定と伺っていた方たちは既に出発していきました。 雷鳥沢ヒュッテもロッジ立山連峰も明かりが付いています。一晩中、明かりが付いたままだったような気がします。 雷鳥荘辺りまで来るとご来光の時間が過ぎすっかり明るくなってきました。石畳の道の脇の小さなせせらぎに氷が張っていました。そういえば夜に外に出していたアイゼンが凍て付いていました。-2、3℃まで冷え込んだようです。 小さなせせらぎにできた小さな氷でしたが模様が美しく、そして氷面に映えた朝のやわらかな光。水中の落ち葉や植物が堆積した姿。陽が昇ればすぐに消えてしまうほんのひとときの小さな世界を感じました。

氷から離れ歩き始めてすぐに、目の前にライチョウの雄がいて驚きました!慌てて撮った1枚でしたがロープが入ってしまうので、避けて撮れないかと考えていたところ・・ 石畳を横断し、見晴しの良さそうな岩の上に移動しました。ライチョウと2人きりで見つめ合うこと5分が経ち10分が経ち・・。 (※見つめ合っていると思っているのは自分だけで、この辺り一帯をなわばりとしているこの雄ライチョウは見張りのお仕事中)。写真的には横を向いてほしいのですが、なかなか横を向いてもらえません。 辛抱強く待っていると、ようやく「しょうがないなぁ」といった感じで横を向いてくれました。できれば逆方向を向いて欲しかったのですが、贅沢は言えません(笑。 でもこれだけのんびりと雷鳥と向き合えたのもこの時間にのんびりと歩いていたからだと思うと、ご来光目指して雄山へ向かわなくて良かった。

浄土山に光が回りはじめました。室堂ターミナル経由だと遠回りなので、室堂山荘経由で一ノ越へ向かうことにします。 5時半過ぎ、室堂山荘に着いたところで、ちょうど稜線から太陽が顔を出しました!タイミング良くこの場所で朝陽を見ることができたことに感謝です。 ただ薄く暈がかかっているように見えるのが気になります。やはり午後から下り坂でしょうか? 一ノ越に向かって登っていると、光のラインが徐々に下りてきました。朝の光に包まれた大日連山が綺麗。 雄山が少しずつ近付いてきます。しっかりとしたトレースがあり、目印の竹竿も立ててくださっているので迷うことはありません。 朝は気温が低く、雪が固く締まっているので歩きやすく助かります。一歩一歩登るごとに、少しずつ大日岳が高く聳え姿をあらわしてきました。 朝6時半、一ノ越に到着です。春なので少し霞んでいますが槍穂高を眺めることができました。黒部源流の山々とともにまだまだたっぷりの残雪が残っています。

さて雄山へ向かって登り始めます。登り始めてしばらくのところで急斜面に残雪が残っていました。やっぱりピッケルがないと少し怖い・・下りは気を付けなきゃ。 振り返るとなだらかな残雪色の浄土山。後ほど登ってみることにします。あっという間に一ノ越が足もとに小さくなっていきます。 スキーの2人組が下りて来ました。アイゼンも付けずストックもピッケルも持ってなくて・・さすが!この上の雪の状況を伺うと、一ヶ所だけ急斜面のトラバースがあるとのことで緊張します。 でも12本アイゼンとストックがあれば大丈夫、とのことでした。
噂のトラバースは三ノ越からしばらく先にありました。 トレースがしっかりと付いているのでさほど心配ありませんが、もしアイゼンを引っ掛けてバランスを崩したり躓いてしまったりすると真っ逆さまに落ちて取り返しの付かないような場所。 山に登っているとどこにでもそんな場所はありますが、この場所は雪道なので少し嫌なトラバースでした。高いところが苦手なので、怖くて下を見ることができません。 夜明け前には絶対に無理だった・・と思いながら、一歩一歩慎重に登り、午前8時。雄山の三角点に到着です。振り返ると雷鳥沢のテン場からみくりが池、室堂山荘と今歩いて来た道がすべて見渡せました。 そして、楽しみにしていた剱岳。最高に美しい姿。

下山のトラバースが不安でしたが、登るときと同じように下を見ないように慎重に通過すると何とか大丈夫でした。朝一番のバスに乗ってきた人たちがそろそろ着く時間になり、一ノ越は賑やか。 今度は反対側の浄土山に登ってみます。以前この時期にライチョウにたくさん出会えたことがあるので、今回も出会えますように。少し登ってつい先ほどまで過ごしていた雄山を振り返ります。 雄山に比べてこちらのルートは岩場も少なく急なところも危険なところもありません。 山頂に向かって歩いていると、早速ライチョウのカップルに出会いました!近くで写真を撮っていても逃げません。お互いしか見えていないのかまったく警戒心がないようです。 のんびりとライチョウを観察することができました。一緒に景色を眺めたりしてとても微笑ましいです。そして一緒に仲良くお食事タイム。2羽だけの世界を邪魔しないように静かに見守ることにします。

ライチョウを眺めている間に暗い雲があらわれてきました。 せっかくここまで登り返してきたので浄土山までと思いもうしばらく登りましたが、テントを撤収して最終便に間に合うようにまた戻って来なければいけないことを考えるとそれほどゆっくりしてはいられません。 雷鳥沢に14時に戻り、15時に出発。同じテン泊の人たちにご挨拶します。皆さんご無事でそれぞれ楽しんで来られたみたいで良かった。 あまり寝てないのでそれなりに疲れて来ました。とりあえずテントを撤収している間は降られなかったので一安心。
今回の目標はこの時期の初のテン泊、そして雷鳥をゆっくり写真に撮れたらと思っていたので登るのは浄土山だけのつもりでしたが、思いがけずピッケルがなくても雄山に登ることができたので充実した旅になりました。

● 写真(40) ●
  • 雷鳥荘辺りでは、ハイマツの色が真っ赤。地獄谷からのガスの影響なのでしょう。
  • 雷鳥荘辺りでは、ハイマツの色が真っ赤。地獄谷からのガスの影響なのでしょう。
  • 雪解けが進みます。
  • 雪解けが進みます。
  • テントを張っていると青空が顔を出しているのにまだ上空には暗い雲が残り、雨に降られてしまいました。
  • テントを張っていると青空が顔を出しているのにまだ上空には暗い雲が残り、雨に降られてしまいました。
  • もう既に太陽の色が綺麗。地獄谷から湧き上がったガスに光が当たり存在が際立っていました。
  • もう既に太陽の色が綺麗。地獄谷から湧き上がったガスに光が当たり存在が際立っていました。
  • 太陽が沈んでいくごとに大日連山にかかっていた雲が流れ、姿があらわれてきました。
  • 太陽が沈んでいくごとに大日連山にかかっていた雲が流れ、姿があらわれてきました。
  • 太陽の今日一日最後の光によって染まっていきます。言葉で表現することのできない美しい色の変化。
  • 太陽の今日一日最後の光によって染まっていきます。言葉で表現することのできない美しい色の変化。
  • そしてあっという間に太陽が沈んで行きました。静かなひととき。あたたかな色。
  • そしてあっという間に太陽が沈んで行きました。静かなひととき。あたたかな色。
  • 月齢11なので、歩きやすい道であればヘッドランプがなくても歩けるほどです。
  • 月齢11なので、歩きやすい道であればヘッドランプがなくても歩けるほどです。
  • 2時半に目が覚めてしまい、満点の星空を眺めます。
  • 2時半に目が覚めてしまい、満点の星空を眺めます。
  • 朝食をしっかりと食べて4時に出発。明るくなってきました。
  • 朝食をしっかりと食べて4時に出発。明るくなってきました。
  • しばらく登って雷鳥沢を振り返ります。
  • しばらく登って雷鳥沢を振り返ります。
  • 石畳の道の脇の小さなせせらぎに氷が張っていました。-2、3℃まで冷え込んだようです。
  • 石畳の道の脇の小さなせせらぎに氷が張っていました。-2、3℃まで冷え込んだようです。
  • 小さなせせらぎにできた小さな氷でしたが模様が美しく、そして氷面に映えた朝のやわらかな光。
  • 小さなせせらぎにできた小さな氷でしたが模様が美しく、そして氷面に映えた朝のやわらかな光。
  • ライチョウと2人きりで見つめ合うこと5分経ち10分経ち..
  • ライチョウと2人きりで見つめ合うこと5分経ち10分経ち..
  • 辛抱強く待っていると、ようやく横を向きました。
  • 辛抱強く待っていると、ようやく横を向きました。
  • 大日岳が朝の光に包まれ始めました。
  • 大日岳が朝の光に包まれ始めました。
  • 5時半過ぎ、室堂山荘に着いたところで、ちょうど稜線から太陽が顔を出しました!
  • 5時半過ぎ、室堂山荘に着いたところで、ちょうど稜線から太陽が顔を出しました!
  • 一ノ越に向かって登っていると、光のラインが徐々に下りてきました。朝の光に包まれた大日連山が綺麗。
  • 一ノ越に向かって登っていると、光のラインが徐々に下りてきました。朝の光に包まれた大日連山が綺麗。
  • 可愛らしい足跡を見つけました。もしかして?と思いましたが後ほどやはりライチョウの足跡だと判明。
  • 可愛らしい足跡を見つけました。もしかして?と思いましたが後ほどやはりライチョウの足跡だと判明。
  • 一ノ越まではしっかりとしたトレースがあり、目印の竹竿も立ててくださり迷うことはありません。
  • 一ノ越まではしっかりとしたトレースがあり、目印の竹竿も立ててくださり迷うことはありません。
  • 一歩一歩登るごとに、少しずつ大日岳が高く聳え姿をあらわしてきました。
  • 一歩一歩登るごとに、少しずつ大日岳が高く聳え姿をあらわしてきました。
  • 朝6時半、一ノ越に到着です。春なので少し霞んでいますが槍穂高連峰を眺めることができました。
  • 朝6時半、一ノ越に到着です。春なので少し霞んでいますが槍穂高連峰を眺めることができました。
  • もう一枚、広角で。
  • もう一枚、広角で。
  • さて雄山へ向かって登り始め振り返ります。なだらかな残雪色の浄土山へは後ほど登ってみることにします。
  • さて雄山へ向かって登り始め振り返ります。なだらかな残雪色の浄土山へは後ほど登ってみることにします。
  • 雪渓を直登したあとは右方向へ。少し嫌なトラバースでした。
  • 雪渓を直登したあとは右方向へ。少し嫌なトラバースでした。
  • 雄山の三角点に到着です。振り返ると、雷鳥沢から歩いて来た道がすべて見渡せました。
  • 雄山の三角点に到着です。振り返ると、雷鳥沢から歩いて来た道がすべて見渡せました。
  • そして、剱岳。
  • そして、剱岳。
  • 雪解けが進みます。
  • 雪解けが進みます。
  • 3,003mの雄山山頂に到着です。
  • 3,003mの雄山山頂に到着です。
  • 黒部湖と向かいは針ノ木岳。
  • 黒部湖と向かいは針ノ木岳。
  • イワヒバリが遊びに来て、楽しそうに陽気にさえずりながら近付いて来ます。
  • イワヒバリが遊びに来て、楽しそうに陽気にさえずりながら近付いて来ます。
  • 浄土山に少し登ってつい先ほどまで過ごしていた雄山を振り返ります。
  • 浄土山に少し登ってつい先ほどまで過ごしていた雄山を振り返ります。
  • 山頂に向かって歩いているとライチョウのカップルに出会いました!
  • 山頂に向かって歩いているとライチョウのカップルに出会いました!
  • 雄と比べてやさしい表情。そして首の周りやからだの羽毛が素晴らしく美しいことに気付きました。
  • 雄と比べてやさしい表情。そして首の周りやからだの羽毛が素晴らしく美しいことに気付きました。
  • 目の前で仲良さそうにしている雷鳥のカップルに微笑ましくなりました。
  • 目の前で仲良さそうにしている雷鳥のカップルに微笑ましくなりました。
  • その後、メスが先に登り振り返ります。まるでオスに早くこっちにおいでって言ってるみたい。
  • その後、メスが先に登り振り返ります。まるでオスに早くこっちにおいでって言ってるみたい。
  • せっかくなので浄土山までと思いもうしばらく登りましたが、それほどゆっくりしてはいられません。
  • せっかくなので浄土山までと思いもうしばらく登りましたが、それほどゆっくりしてはいられません。
  • 空が暗いので駆け足で下りて来ると、とうとう降ってきました。
  • 空が暗いので駆け足で下りて来ると、とうとう降ってきました。
  • みくりが池まで戻って来ると止み助かりました。
  • みくりが池まで戻って来ると止み助かりました。
  • 雪が解けているのでとてもスローペース。何とか16時に展望台まで戻ってきました。
  • 雪が解けているのでとてもスローペース。何とか16時に展望台まで戻ってきました。